2010/06/05

Nucleophilic Perfluoroalkylation of Imines and Carbonyls

G. K. Surya Prakash*, Ying Wang, Ryo Mogi, Jinbo Hu†, Thomas Mathew and George A. Olah
DOI: 10.1021/ol100918d

フッ素化合物の有用性はよく語られるところであるが、トリフルオロメチル基以外の長鎖パーフルオロアルキル基を導入する方法論は実は少ない。著者らはペンタフルオロエチルフェニルスルホンとカリウムtert-ブトキシドを反応させることで、系中にて求核的ペンタフルオロエチルアニオンを生成、イミンやアルデヒド、ケトンなどへ付加させることに成功した。

以前の研究によりトリフルオロメチルフェニルスルホンとカリウムtert-ブトキシドから生成させたトリフルオロメチルアニオンがアルデヒドへと付加する反応を見いだしていたため、本報告はそのペンタフルオロエチル基への適応と基質の拡張にあたる。



反応条件を見てみると、THF中でイミンとスルホンを-78度の低温下で撹拌しつつKOtBuをゆっくりと滴下するとのことで、温度制御がシビアな反応のようだ。基質としてはエノール化しうるイミンにも一応適応可能だが、脂肪族アルデヒドでは収率が低下するようだ。またα、βー不飽和の基質に対しても1,2-付加が進行すること、キラルスルフィニルイミンに対する付加では高いジアステレオ選択性で付加が進行することも特筆すべき点だ。

基質となるスルホンもカルボン酸カリウム塩から容易に調製可能とのことで、使い勝手のよい反応に思える。

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